【書評】『投資戦略の発想法2010』

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ちょっとしたきっかけで『投資戦略の発想法2010』のことを知り、購入しました。

日本振興銀行事件で一躍有名になった木村剛氏の本です。また、2010年版(書かれたのは2009年)の本なので、古い内容も多いです。

ただ、読み物としては今読んでも面白い箇所が多いと思います。500ページくらいある本ですが、この週末で一気に読んでしまいました(笑)。

アマゾンレビューなどにも書いてあるように、当時の日本を取り巻く経済環境を著者なりに分析し、持論を述べている箇所は冗長とも言えます。

また、「日本は社会主義」「日本の政治家や官僚は資本主義のことを全く分かっていない」と言い切っているところはかなり押しが強く、敵も多かったのだろう(だからこそ、狙われた部分もあったのかもしれない)なあと個人的には感じました。

ただし、今でも通用する(むしろ当時よりひどくなっている)と感じる指摘もあり、以下に紹介するように、内容は非常に良心的とも言えるので、(それが受け入れられたかどうかはともかく)彼なりの正義感で書いた本なのだろうなあと感じました。

筆者独特の主張を除けば、内容は非常に標準的です。

「本業を頑張れ」「節約をしろ」「生活防衛資金を確保しろ」「シンプルな投資を心がけ、複雑な商品は買うな」など、基本を押さえた後は、CAPMを紹介して、効率的ポートフォリオの構築を薦めます。

分散投資や個人投資家ならではのバイ・アンド・ホールドの長期投資を薦めているところは普通ですが、面白いのは、ワン株や累投などを活用して、(日本の)個別株を20ほど購入しなさい、と薦めているところです。

たしかに個別株で分散投資をするのは大変なので、その辺に対する答えを用意しているところはなるほどと思いました。

もちろん『敗者のゲーム』や『ウォール街のランダムウォーカー』などを紹介しながら、インデックス投資も薦めていますが、そこで出てくるTOPIXのインデックスファンドの信託報酬が0.64パーセントなど!

この当時はこれでも画期的だったのだとは思いますが、10年も経たないうちに半分以下になっていると思うと隔世の感があります。

また、ETFも紹介されていますが、やはり経費率が高めのものが多く、2016年現在から見ると、ずいぶん原始的に感じます。

逆に言うと、時代はインデックス投資に追い風になっているのでしょう。

また、さわかみファンドの澤上氏と木村氏の対談が収録されており、現在から見るとなかなか興味深いです。

総評としては、木村節をぜひ読みたい、という好みの人を除けば、この本でしか読めないという情報はそれほど多くないように感じましたが、基本的な考え方を非常に分かりやすく網羅的に書いている力作だと思います。

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すいさく

Author:すいさく
40代、2015年8月頃から投資らしい投資を始めた初心者の日々をつづっています。

インデックスファンド・国内外のETFを中心にバイアンドホールドを基本に投資していますが、日本・海外の個別株式も一部保有しています。

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