【書評】『投資で一番大切な20の教え』

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最近、本ばっかり読んでますね。

頭でっかちにはならないようにしようとは思っていますが、いろいろな人の投資哲学を学ぶのは素直にとても面白いです。

さて、今回は『投資で一番大切な20の教え』です。

バフェットさんが大量購入してバークシャー・ハサウェイの株主に配布したことで有名な本ですが、そう言われるとどんな本なのか気になります。

著者は数十年に渡って安定した運用成績を出し続けてきたオークツリー・キャピタル・マネジメント会長であり、顧客向けのニュースレターの内容を整理したのがこの本です。
ざっと見ると、基本的にはバリュー投資を想定しているようで、グレアムの「安全なマージン」の考え方に基づき、企業の本質的価値を正しく理解して本質的価値より低い価格で購入することを薦めています。

そこで重視しているのが「2次元的思考」です。

つまり「良い企業だから株を買う」のではなく、「良い企業の株価がその本質的価値を下回っているから買う」という発想が重要だと何度も強調しています。

言い換えると、良い企業(資産)であっても、誰からも注目されて既に価格が上がりきっているのであれば買うのは危険だし、逆に、それほど良くない企業(資産)であっても、誰からも注目されず価格が不当に低いのであれば買うべきだということです。

また、リスクの定義にボラティリティだけではなく「価格」を含めていることも特徴的です。

どんなにボラティリティが小さくても、資産の購入価格が高ければ損失を出すリスクがあるというのです(数学的に言えば、資産評価額-購入額がマイナスになる確率を「リスク」と定義しているのかもしれません)。

個人的には、このような考え方はしっくりきます。

これまでも、特に個別株を購入するときに、私はなるべく底値で買おうと心がけていました。これは、購入した後に株価が低迷しても、低い価格で購入さえすれば、安全だと考えたからです。

逆に、自分が考える底値で買えない場合は、どんなに良く見えても手を出しませんでした(それで何度もチャンスを逃しています)。このような考え方は自分なりに思いついたものですが、その裏付けになるような考え方が有力な投資家と同じならそれほど見当違いでもないのだろうと思います。

バフェットもそうらしいですが、オークツリー・キャピタル・マネジメントも、ニフティ・フィフティやハイテク・バブルには乗らず、運用成績は市場平均を下回ったときもあるようです。

しかし、リスクを抑えていたことにより、市場の調整局面で市場平均をはるかに上回る成績を残し、顧客の信頼を得るだけではなく、運用会社として文字通り「生き残った」(数十年を通じて生き残った運用会社はほかにはほとんどないとのことです)ところが評価できるところなのでしょう。

ほかにも、市場の効率性とその限界や、心理的要因の悪影響を指摘していますが、面白いのは「サイクルに注意を向ける」という発想です。

つまり、株価のサイクルがなくなり、ずっと上がり続けることは「ない」のだという事実に目を向けるべきだというのです。

これは、永遠に株価の上昇基調が続くという過度な楽観とも、株価の変動は全く予測不可能だという諦観とも異なる第3の視点だと感じ、個人的にはとても印象に残りました。

つまり、株価が上がり続けるように見え、「これからは今までと違って下がることはない」と言われたときこそ危険で(世界大恐慌直前にアービング・フィッシャーという有名な経済学者はこれからもずっと株価は上がり続けると言っていたようです)、むしろ市場全体が悲観に明け暮れているような場面こそが投資のチャンスだということなのでしょう。

短期的な株価の騰落は分からないにしても、今自分たちがサイクルのどの位置にいるかは分かるはずだ、という市場観は、インデックス投資とはかなり違うかもしれませんが、個人的には参考にしたいと感じました。

ちなみに、アイキャッチは「レンタサイクルで漁港を走る女性観光客」です。サイクル違いでしたー(笑)。

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すいさく

Author:すいさく
40代、2015年8月頃から投資らしい投資を始めた初心者の日々をつづっています。

インデックスファンド・国内外のETFを中心にバイアンドホールドを基本に投資していますが、日本・海外の個別株式も一部保有しています。

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