VIGとS&P500配当貴族指数を比較してみる

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はじめに


米国株の連続増配指数と言って最初に思い浮かぶのは、バンガードのVIG(のベンチマーク)かS&P500配当貴族指数ではないでしょうか。

この2つの指数はどちらも「連続増配指数」と言われていますが、大分性格が違うように思うため、以下にまとめてみます。

注:指数間で比較する場合、特定のETFの銘柄である「VIG」より、そのベンチマークであるNASDAQ USディヴィデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス(NASDAQ USブロード・ディヴィデンド・アチーバーズ・インデックスからの派生インデックス)を挙げるべきだと思われますが、以下ではより分かりやすい「VIG」の表記を用います。

VIGとS&P500配当貴族指数の比較


VIGの特徴


・連続増配10年以上の米国普通株から構成
・組入比率は時価総額比率(正確な算出方法へのリンクは外部リンク

参考リンク: VIGのファクトシート(バンガードインベストメントジャパン ウェブサイト)
参考リンク: USディヴィデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス公式ページ(NASDAQ Global Indexesウェブサイト)

S&P500配当貴族指数の特徴


・連続増配25年以上の米国普通株から構成
・組入比率は均等比率(正確な算出方法へのリンクは外部リンク

参考リンク: S&P 500配当貴族指数(S&P Dow Jones Indicesウェブサイト)

このように、大きな違いは連続増配年数(10年以上か25年以上か)と組入比率(時価総額か均等か)ということになるかと思いますが、以下に述べるように、この違いは意外と効いてくるようです。

チャート


次に、チャートを比較してみます。

直接指数のチャートを見るのは難しいので、S&P500配当貴族指数は、それに連動するETF、NOBLを比較対象とし、VIGと、さらにベンチマークとしてVTIを過去5年間(2013年1月~2018年1月5日)で比較することにします。

以下のチャートは、Yahoo! Finance(.comの方)でVIG(濃い青の線)、NOBL(水色)、VTI(紫)をそれぞれ表しています(クリックで拡大します)。

VIGNOBL.png
(出所:YAHOO! Finance)

このチャートを見る限り、以下のようなことが分かります。

・5年間のトータルリターンはVTI>NOBL>VIG
・VIGのチャートは全体的に下の方にある
・2015年8月のチャイナショックでは3つともかなり下げている
・NOBLはチャイナショック直前の上げ相場のときはVTIより低め、チャイナショックからの回復期には高めのリターンになっている(ように見える)

つまり、少なくともこの5年間に関しては、単純なリターンや上げ相場ではVTIが良いものの、下げ相場からの回復はNOBL、つまりS&P500配当貴族指数の方が優れている可能性があると言えそうです。

組入銘柄・比率の違い


それでは、このような違いはどこから生じるのでしょうか。

ヒントになるのは、組入銘柄と比率だと思います。

VIGの上位組入銘柄(2017年11月30日現在)


1位 マイクロソフト (MSFT) 4.70%
2位 ジョンソン&ジョンソン (JNJ) 4.07%
3位 ペプシコ (PEP) 3.77%
4位 3M (MMM) 3.72%
5位 メドトロニック (MDT) 2.90%
6位 ユニオン・パシフィック (UNP) 2.64%
7位 ユナイテッド・テクノロジーズ (UTX) 2.51%
8位 アクセンチュア クラスA (ACN) 2.51%
9位 アボット・ラボラトリーズ (ABT) 2.50%
10位 テキサス・インスツルメンツ (TXN) 2.50%

S&P500配当貴族指数(NOBL)の上位組入銘柄(2018年1月5日現在)


1位 ブラウン・フォーマン (BF/B) 2.30%
2位 W・W・グレインジャー(GWW) 2.26%
3位 ホーメル・フーズ(HRL) 2.26%
4位 ロウズ・カンパニーズ(LOW) 2.20%
5位 クロロックス(CLX) 2.16%
6位 ニューコア・コーポレーション(NUE) 2.14%
7位 ウォルマート・ストアズ(WMT) 2.14%
8位 シスコ・コーポレーション(SYY) 2.11%
9位 ティー・ロー・プライス・グループ(TROW) 2.09%
10位 アッヴィー(ABBV) 2.08%

注:S&P500配当貴族指数の公式ページには組入比率の記載がなかったので、NOBLのデータで代用しています

こうやって見てみると、以下のことに気づきます。

・VIGの上位組入銘柄にはマイクロソフト、ジョンソン&ジョンソン、3M、ペプシコなど超有名企業が多いが、S&P500配当貴族指数(NOBL)の上位組入銘柄には日本ではあまり見慣れない企業が多い
・VIGでは上位銘柄の組入比率が高いが、S&P500配当貴族指数はほぼ均等比率(ベンチマーク通り)
・VIGでは連続増配年数が10年以上25年未満のマイクロソフトなどが含まれているが、S&P500配当貴族指数には含まれていない
・10位以下を確認すると、VIGとS&P500配当貴族指数で重複している銘柄(たとえば、ペプシコ、ジョンソン&ジョンソン、3M、ウォルマート)があるが、VIGの方がより特定の(時価総額が大きい)銘柄に組入比率を集中している

つまり、

・VIGよりもS&P500配当貴族指数の方が時価総額が低い企業の組入比率が高くなっており、
・連続増配年数の基準が厳しいために、より安定した業績の企業が選ばれる傾向が高い

ことが推測できます。

これが、上で見たチャートの差につながっているのではないでしょうか。

まとめ


これまで、同じ「連続増配指数(ETF)」としてひとくくりにされやすいVIG(USディヴィデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス)とS&P500配当貴族指数(NOBL)を比較してきました。

これらの指数の違いを見て、私がどちらが好きかと聞かれれば、

S&P500配当貴族指数

と答えます。

なぜなら、25年以上の連続増配企業を均等比率で組み入れているため、VTIやMSCIコクサイなどのポピュラーな時価総額インデックスでなかなかカバーできない企業への比率を上げることができ、下げ相場(からの回復)に強いため、一緒に組み合わせるにはより好ましいと感じるからです。

逆に、連続増配銘柄一本だけで勝負したい(ほかのETFは持たないあるいは比率が低い)、コアとサテライトの傾向を大きく変えたくないという方はVIGを選ぶのもありかもしれません。

2018年1月現在、楽天VIGが出るという噂(というより願望?)もありますが、以上の結果に基づくと、私は、今まで通りSMT米国株配当貴族インデックス・オープンを積み立てることになりそうです。

なお、以上の内容はあくまでも参考資料として提示したものであり、特定の商品を推奨あるいは勧誘するものではありません。

辛味も投資も自己判断でお願いします。

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プロフィール

すいさく

Author:すいさく
40代、2015年8月頃から投資らしい投資を始めた初心者の日々をつづっています。

インデックスファンド・国内外のETFを中心にバイアンドホールドを基本に投資していますが、日本・海外の個別株式も一部保有しています。

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