ニッセイさんは3度の信託報酬率引き下げで「ブランド」を築いた!?

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はじめに


投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year (FOY) 2017を目の前にして、ついにニッセイアセットマネジメントさんが3度目の信託報酬引き下げを発表しましたね。

詳しくは下のプレスリリースおよびしんたろうさんの記事を見ていただくのが良いと思いますが、

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド

の5商品の信託報酬率を2017年11月以降に引き下げ、僅差ではあるものの、それぞれのアセットクラスの最低水準になるとのことです。

<購入・換金手数料なし>シリーズ5商品の信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について(pdf)(ニッセイアセットマネジメントウェブサイト)

ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズ 5本の信託報酬が引き下げられます。全て最低水準の信託報酬に! (しんたろうのお金のはなし)

ニッセイTOPIXおよびニッセイ外国株式ホルダー(たわら先進国株も保有しています)で、なんとなくニッセイさんには親しみを感じている私としては、これがどのような意味を持つのか分析(という名の妄想)をしてみたいと思います。

ニッセイ外国株式の信託報酬率引き下げは今回で3度目


ニッセイ外国株式インデックスファンドは、現行の信託報酬率の0.2160%(税込)から引き下げ後は0.20412%となり、2015年11月、2016年11月について今回で実に3度目の引き下げとなります。

2016年11月に行われた前回の引き下げも、たわらノーロード先進国株式など強力なライバルファンドが次々と新規設定される中で、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year (FOY)の投票期間の直前に発表されましたが、これがFOY3連覇の決め手となったことには疑いがないでしょう。

さすがにこれ以上の引き下げは難しいと思われていた中での発表は大きな驚きを持って迎えられ、インデックスファンドやETFの積み立ての普及に努めているカン・チュンドさんは以下の記事で「低コスト競争はいよいよ最終局面に」とまで表現されています。

ニッセイアセットマネジメントが再度、信託報酬を引き下げ!(低コスト競争はいよいよ最終局面に) (カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!)

しかし、今年も信託報酬率競争で(今のところ)勝ったのはニッセイさんです。

たわら先進国株式やeMaxis Slim先進国株式などのライバルファンドが続々と信託報酬率の引き下げを発表する中で満を持して引き下げが発表され、本来はかなり画期的であったはずの他社の信託報酬率の最低水準を一気に更新しています。

0.001%の意味


今回の引き下げにより、ニッセイ外国株式は現時点での信託報酬率の最低水準(eMaxis Slim先進国株式・iFree先進国株式の税込0.2052%)を0.001%だけ更新しています。

これだけ小さい更新幅にはあまり意味がなく、2016年11月に観測されたベンチマークとの大幅な乖離や実質コストを考えると最安とは言えないのではないか、そもそも後出しでセコい、というような疑問の声もあります。

それも良く分かります。

しかし、ほんのわずかでも信託報酬率最低を守ろうという態度は、これから新規に買付を考えている潜在的な受益者というより、むしろ現在このファンドを保有している受益者に向けられたメッセージなのではないかとホルダーの私は感じました。

ニッセイのインデックスファンドを保有し続けてください

ニッセイのインデックスファンドを保有し続ける限り、信託報酬は最低であり続けます

こう言われてぐっと来ない受益者はいないのではないでしょうか。

1度ならそこで終わりかもしれない。

2度ならたまたま偶然が重なったのかもしれない。

しかし、3度続いたら、4度目があると考えるしかない。

これは、これまで繰り返し信託報酬率の引き下げを行っていたニッセイさんだけができる芸当です。

ここまで来ると、ニッセイさんは(直接そう謳っていなかったとしても)信託報酬率最安を更新し続ける「ブランド」を築いてしまったと言わざるを得ません。

そう感じた私は、場合によっては処分も考えていたニッセイ外国株式インデックスファンドを動かせなくなりました。

他社に数年間信託報酬最低の座を奪われ続けない限り、現在積み立て設定をしているニッセイ外国株式からの変更はもう(私の中では)封じられてしまったと言っても過言ではないのです。

ライバルファンドとの関係


私は、前回のニッセイの信託報酬引き下げのときに、以下のような記事を書きました。

信託報酬引き下げから透けて見えるニッセイAMの戦略(サボテンのように資産を育てるブログ)

その中で、以下のように述べました。

信託報酬が低いことは、運用会社(と販売会社)にとっては利益率が下がることを意味しますから、本来は望ましいことではありません。

それではなぜ信託報酬を下げるのか、と言えば、それによって資金を集められ、規模のメリットによりライバルに対して有利な立場を築くことができるからに違いありません。

特に、iDeCoの対象が広がり、市場が急拡大するタイミングで一気にシェアを握れれば、その後の競争はかなり有利になるはずですし、ここに来て各社の新商品の発売ラッシュがあるのもそれを狙っているはずです。

…しかし、ニッセイが信託報酬を引き下げ続ける限り、この手はもう使えません。

なぜなら、1で書いたように、ライバルファンドの信託報酬が最安であったとしても、ニッセイのファンドを保有する投資家は もう乗り換えなくなるからです。

(上掲記事)

つまり、今回の信託報酬率の引き下げの発表によって私のようにニッセイにから乗り換えない受益者が多ければ、ニッセイの顧客を奪うことを封じられたライバルファンドは苦しい立場に追い込まれます。

もちろん、実質コスト等を勘案すれば確かにたわらノーロードなどのライバルファンドの方が有利なのかもしれません。

しかし、それを考慮しても、

・ニッセイ外国株式が少なくとも「だいたい最安」のグループに入り続けており、

・これから4度、5度、…と繰り返し信託報酬の引き下げが行われる可能性が高く、

・(最大のライバルであるたわらノーロード先進国株式やeMaxis Slim先進国株式はまだ1度しか信託報酬率の引き下げを行っておらず、各社の信託報酬率の引き下げが年1回である限り)信託報酬率の引き下げ「回数」では永久にニッセイに勝つことはできない

・管理の容易さを考えるとあまり頻繁にファンドの乗り換えをしたくない

とすれば、ニッセイから乗り換える必要性を感じない人が多くても不思議はありません。

さらに、上掲記事では、以下のように、このような状況では知名度や純資産額が大きいファンドが有利になると述べました。

信託報酬がじりじり引き下げられる消耗戦になると、知名度や純資産額が大きいファンドが有利になると考えられます。

ニッセイのファンドは純資産額が大きく、現在も各証券会社の毎月積立額の上位をキープしていますので、信託報酬が引き下げられればさらに有利な立場になるでしょう。

ということは、これから新規参入を行う企業はとてつもなく不利な立場に追い込まれます。場合によっては、商品投入を取りやめたり、戦略の練り直しを強いられたりするのではないでしょうか。

(上掲記事)

私のこの考えは今でも変わっていません。

つみたてNISAの対象商品になるため、多くのファンドが新規設定あるいは信託報酬の引き下げを行ってきましたが、それがひと段落する来年以降が本当の勝負であり、そこで「値下げ」のブランドを築き上げたニッセイさんの存在は決して無視できなくなるのではないかと想像します。

地味に嬉しいのはTOPIXインデックスファンドが最安になったこと


これまで述べてきたように、ニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬率引き下げは大きなインパクトがあると考えられます。

しかし、個人的には、それ以上に嬉しいのは今回の引き下げでニッセイTOPIXインデックスファンドも最安になったことです。

TOPIXに連動するインデックスファンドでは、現時点では三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの信託報酬率0.1728%(税込)が最低でしたが、今回のニッセイの引き下げにより、これが0.17172%(税込)に更新されました。

わずかな差ですが、上に書いたように、現在保有しているニッセイTOPIXが最安になり、これからも最安であり続けるのであればわざわざ他社に乗り換える理由はなくなりました。

もちろん、実質コストでは最安ではない可能性もあり、信託報酬率も一時的に最安の座を奪われることはあるでしょうが、そのわずかな差のためにわずらわしい管理をしなければいけないなら、私は今のままで十分です。

最後に


ニッセイ外国株式インデックスファンドは、既にFOY3連覇を果たしており、仮に今年度も受賞したとすると4連覇と前人未到の領域を突き進むこととなります。

今回の引き下げは、どうせFOYに合わせて来たんだろう、とか、実質コストやベンチマークからの乖離の問題もあるし、と、実は最初引き下げのニュースを聞いたときは前回ほどのインパクトを感じていませんでした。

しかし、記事を書きながら何度も考えるうちに、

今回の引き下げは、実はものすごいポテンシャルを秘めているのではないか

と思い始めたのです。

今持っているファンドが何年経っても、一番安いファンドであり続ける。

それが行動を伴って示されている。

これはすごいことです。

実は最初は「ニッセイさん、信託報酬率だけでなく、運用品質もちゃんとしてくださいよ」と書こうと思っていたのですが、自分でも予想しないうちにニッセイ礼讃記事になってしまいました(笑)。

私はたわら先進国株式も保有しているので、ライバルファンドの素晴らしさも理解しているつもりです(iDeCoではたわらを積み立てています)。

しかし、現時点では、上記の点について、ニッセイ外国株式はやはり唯一無二の存在だと言わざるを得ないような気がします。

たわらを始め、ライバルファンドが生き残るただ一つの道は、ニッセイに負けずに実績を積み重ね、受益者の信頼を勝ち取ることではないでしょうか。

時を重ねるうちに、少しずつ実績を積み重ね、運用品質も受益者を大切にする姿勢もニッセイに勝っている、と感じるときがきたら、そのときこそニッセイからライバルファンドに乗り換えるときが来るのかもしれません。

少なくともそのときまでは、ニッセイを保有し続けようと思います。

保有し続けるだけで、一番いいファンドになる。

そう、ニッセイならね。

<注意>
念のため補足しておきますが、eMaxis Slimなどと異なり、ニッセイAMでは信託報酬率を最低水準にする(あるいはそれを目指す)ことを公式に表明しているわけではありません。

それでも、ニッセイさんは信託報酬率をその時点での最低に引き下げ続けることで、上に述べたようなメッセージを行動をもって何度も示してきており、これは場合によっては「最低を目指す」のを謳う以上に困難なことではないかと個人的には思っています。

今後、ニッセイのインデックスファンドが信託報酬率最低を更新し続けるのか、また、ベンチマークからの乖離や実質コストも含めた運用品質が保たれるかどうかについては100%確実なわけではありませんので、あくまでも投資は自己判断でお願いします。

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プロフィール

すいさく

Author:すいさく
40代、2015年8月頃から投資らしい投資を始めた初心者の日々をつづっています。

インデックスファンド・国内外のETFを中心にバイアンドホールドを基本に投資していますが、日本・海外の個別株式も一部保有しています。

2017年2月現在の方針はこちら

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