20年後の景色は今と全然違うはず

N745_densyadeinakanikisyousuru_TP_V.jpg

はじめに

投資に興味がない人にどうやって興味を持ってもらえるか、投資人口をどうやって増やすか、という話をあちこちで良く見ますが、実は私は楽観的です。

その理由をブログに書こうと思っていたら、先日カン・チュンドさんにほとんど書かれてしまっていることに気づきました(笑)。

「パソコンおたく」と「一攫千金投資家」(カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!

要するに、「普通」の人がパソコンを使って通信をするのが当たり前になったのはWindows 95が出たせいぜい20年前であり、そのときは、こんなに日常的にインターネットを使うようになるとはほとんどの人が想像していなかっただろう、ということです。

つまり、投資に関する20年後の景色は今と全く違っている可能性もある、と言いたいのだと思います。

ここで終わりにするのも悔しいので(笑)、今回はもう少し自分の経験について書いてみます。

似たようなことはたくさんある

実は、私は似たような経験をしたことがあります。

私が大学生だった約20数年前、友人が立ち上げた環境サークルの集まりを覗いたことがありましたが、「現在(その当時)のような消費社会には限界があるから、これからは環境意識を高めることが必要だ」というようなことを言っている人がいました。

似たような話は1970年代くらいからさんざん言われていますし、空気を読めない私は、「そうは言ってもみんな自分の身が可愛いから、実際はわざわざコストをかけてまで環境に優しい行動なんてとるわけないだろう」というような意見を言い、なんとなく冷やかな眼差しを受けてしまったのですが、私の意見に同意してくださる方も少なくないのではないかと思います。

しかし、ここで言っている「環境に優しい行動」は、

燃えるゴミ・燃えないゴミなどの分別

シャンプーなどの詰め替え用商品の一般化

程度の話、つまり、今ではとっくの昔に「当たり前」のことになっていることだったのです。

これらは、その当時は全く「当たり前」ではありませんでしたし、ゴミの分別なんてやっているのは「意識の高い」消費者運動をやっている一部のマニアだったはずですが、少なくとも今は違反ゴミを出したら収集されないでしょうし、大半の人はゴミの分別くらい環境のことすら意識せず「普通に」やっています。

シャンプーや洗剤の詰め替えだって、20数年前は「こういう商品は清潔感が命だから(詰め替えは不潔に感じられるから)絶対に売れない」なんて言われて、普通の店では絶対売っていなかったのに、「失われた20年」で節約志向が高まったことで、みんな普通に利用するようになりましたよね。

つまり、「当たり前」の基準なんていつの間にか変わってしまう程度のことだと思うのです。

とはいっても、いくつかの条件があるのでは

しかし、このような「当たり前」の変化にはいくつかの条件があるように思います。

まず、「当たり前」を支えるシステムです。

ゴミの分別の場合、どこに行っても燃えるゴミと燃えない(燃やさない)ゴミのゴミ箱が分かれていますし、ゴミの収集も分別済みのものだけに対して行われます。

むしろ、分別用のゴミ箱がない方が落ち着きません。

別な言い方をすると、ゴミの分別をしようと思ったらそれがスムーズにでき、そうでないとかえって不便を感じるような仕組みがすでに実現しているのです。

また、日本では、ほかの人の目も気になるのではないでしょうか。

昔は、詰め替え式のシャンプーを使っているなら、環境意識(笑)が高い、ケチケチしている、不潔、と好奇の目で見られていたような気がしますが、今はどこでも普通に扱っているし、みんな普通に使っているので、詰め替え式シャンプーを使わない人の方がむしろ贅沢というか変わり者という風に見られるのではないでしょうか。

要するに、横並びの意識が強ければ強いほど、まわりにやっている人がどれだけいるかどうかが重要で、逆に、臨界点をほんのちょっと超えただけで普及が一気に進む可能性もあります。

投資の場合はどうか

投資の場合はどうかというと、今はかなり急激にこれらの条件が整い始めているタイミングではないかと私は思います。

私はまともに投資を勉強し始めたのが2013年~2015年ごろでしたが、この時と比べても現在は各段に投資環境が整ってきたと思います(なんせ、その頃でも信託報酬率が1%を切っていたら低コストファンドなんて言っていましたし、半年前のインデックス投資の本の記載が古くなることが普通になってきているわけですから)。

もちろん、つみたてNISAの導入も大きなイベントとなるでしょうが、その前後のインデックスファンドの低コスト化、金融庁も無視できなくなってきた個人投資家やブロガーとの対話、個人投資家のブログや書籍での情報発信なども、現在は小さい一歩だったとしても、今後大きな変化をもたらすきっかけに十分になり得ると思います。

リーマンショック級の暴落が来たらどうするか、という声もありますが、先輩ブロガー各位の努力でインターネット上に膨大な記録が残されており、こういう情報がなかった前回とは大きく違います。

これで、システムはかなり整ってきたので、あとは、2番目の「ほかの人の目」が変われば一気に投資が普及すると思います。

こればかりは急には変わらないかもしれませんが、上にも書いたように、臨界点を超えた瞬間にみんなが口々に「あれ、投資していないの?将来のこと真剣に考えているの?」と手のひらを返したように言い始めることも私は十分にあり得ると思っています(一般向け雑誌の少額投資の記事が増えてきたこともその兆候ではないでしょうか)。

私は新製品が次々と出て市場が大きく変わる様子をウォッチするのが好きなのですが(以前はカシオQV-10から100~200万画素あたりのデジカメ市場をウォッチしていました)、今のインデックス投資界隈はそれに似たスピード感やワクワクする雰囲気がありますし、20代~30代で最初に出会う金融商品がこのようなものであれば、経験が蓄積される20年にはそれが「当たり前」になっても不思議はないでしょう。

そもそも、20年前はフィルムカメラが「当たり前」でデジタルカメラはマニアのもの、そして、「どうやったらデジタルカメラを一般の人に普及させるか」なんてことが掲示板で大真面目に語られていたりもしました。

今は、デジタルカメラ(というよりスマートフォン)が「当たり前」でフィルムカメラを使っている方がマニアですよね。投資も似ていると思います。

残された課題

さて、それでは、投資普及の将来はバラ色なのでしょうか。

私が気がかりなのは、投資において経験がフィードバックされる期間は長いことです。

特に、長期投資を行う場合は、20年ほど経ってやっと効果が目に見えるということも珍しくありませんから、成功体験を積むにもかなりの年月が必要になります。

知人やインターネット上の情報を参考にして情報が伝達される可能性もありますが、現実的には家族など近しい人から投資を学ぶことが多いでしょうから、結果が出るのに20年経つなら、次の人が始めるのはやっと20年後、さらにその結果が伝わるのは40年後、と気が遠くなるような時間がかかります(そして、一度失敗してしまうと、また次の20年に期待するしかなくなってしまうかもしれません)。

これはすぐに結果が体感できるほかの商品とは違うような気がします。

したがって、社会全体で投資の普及を望むなら、世代を超えたかなりの長期間で取り組む必要があり、結果が出ないからすぐに政策を転換するようなやり方ではせっかくの芽をつぶしてしまうことになってしまうかもしれません。

そもそも投資をする必要があるのか

また、そもそも投資に興味を持ってもらう必要があるのか、ということも個人的には気にかかっています。

資産管理のことを知れば知るほど、私は、普段の支出の適切なコントロール(必要なものにはきちんと支出することも含めて)がまず重要で、投資は二次的なもので、投資の額や、そもそも投資するかどうかは本来は個人がそれぞれ判断すれば良いことだという考えが強くなってきました。

私が、投資人口が増えてほしいと思う理由は、

・人生で重要な割合を占める「資産」について話すことが自然なことになってほしい
・投資人口が増えることで投資への理解が深まり、投資家に対して税制などの再分配政策が極端に不利になってほしくない

というようなものですが、それさえ守られていれば、私個人には不利益はなく、率直に言うと、投資するかどうかは個人が決めればいいことだと思います。

私は、自分の意思で投資を始め、この行為を楽しいと感じていますし、これからどうなるか分からないにしても、(個別の投資判断はともかく)この選択自体を後悔することはないだろうと思います。

そういう意味では、とても楽しいこの行為をほかの方に勧めたい気持ちもあります。

しかし、おそらく年金も減額され、これまで以上に自助が重視される流れになっていることを十分に認識していても、なお、支出をコントロールする意思もなく、リスクも一切取りたくない、という人に無理やり投資を勧めるべきなのかどうかというと、違和感も覚えます。

今回のエントリーをこういう形でまとめるのも何なのですが、やはり、投資は自立、投資は自己判断なのではないか、と改めて思う次第です。

Comments

Private comment

プロフィール

すいさく

Author:すいさく
40代、2015年8月頃から投資らしい投資を始めた初心者の日々をつづっています。

インデックスファンド・国内外のETFを中心にバイアンドホールドを基本に投資していますが、日本・海外の個別株式も一部保有しています。

2017年2月現在の方針はこちら

twitterアカウントもつくりました↓
@suisaku_cacti

カウンター

検索フォーム

相互リンク

メールフォーム

Name:
Mail address:
Subject:
Body: