インデックス投資は「アキバ掘り」に似ている!?

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1.はじめに



私が子供の頃にすがやみつる先生の『ゲームセンターあらし』というマンガがありました。

今やほとんど死語になったゲームセンターで小学生の主人公がライバルたちとゲームの腕を競い合うマンガですが、アニメにもなったのでご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

さて、このマンガの初期によく扱われたゲームに「平安京エイリアン」があります。

実は、私は、インデックス投資のアイディアを聞いたときから、この「平安京エイリアン」の「アキバ掘り」という戦法に似ている、と感じていました。

2.平安京エイリアンのルール



平安京エイリアンは、プレーヤーが操作する検非違使(けびいし)がほぼ碁盤目状に通りが整備された平安京を縦横無尽に動き回り、ツルハシで地面に穴を掘って埋めることによってエイリアンから街を守る、というゲームです。

基本ルールは以下のようなものです。

1. 地面に掘った穴にエイリアンが落ちているうちに穴を埋めるとエイリアンを倒せる
2. しかし、穴に落ちてもしばらく放置していたり、ほかのエイリアンが助けに来たりするとエイリアンは穴から出てくる
3. 画面上のエイリアンを全て倒すと一面クリアとなり、エイリアンの数が増えて次の面に進む
4. 検非違使(ゲーム開始時は3人)が全員エイリアンに捕まって天に召されるまで上記を続ける

これだけ聞くと初見の方にはイメージしにくいゲームかもしれません。

詳しくは、以下のサイトをご覧いただいた方がわかりやすいと思います(一番上の無料ゲームのルールの説明が一番分かりやすいような気がします)。

おすすめ無料ゲーム:平安京エイリアン
平安京エイリアンオフィシャルページ
Wikipedia 平安京エイリアンの項
PC-8001用平安京エイリアンのプレー画像(YouTube)

3.平安京エイリアンのさまざまな戦法



このゲームのポイントは

・エイリアンたちの通り道にいかに効率的に穴を掘り、エイリアンが穴に落ちたらいかに効率的に埋めるか
・どうすればいざというときの逃げ道を確保できるか

ということだと思います。

たとえば、こんな風に十字路に穴を掘ってエイリアンが来るのを待つのは一点集中投資に似ているかもしれません(緑のブロックが壁、紺色が道、人のアイコンがプレーヤー、○が穴)。

プレー画面その1

エイリアンが上下左のいずれかから来てうまく穴にはまってくれればいいのですが、穴は1個しかありませんし、右側からエイリアンが来たら逃げ場がない(一度掘った穴は埋めるまで通れない)ので瞬殺されてしまいます。

このような欠点を補う戦法として、「隠居掘り」というものがあります。

隠居掘り

このように、プレーヤーの左右しか通り道がないのであれば、その左右に穴を掘っておけばどちらからエイリアンが来ても身を守れるので、先ほどよりリスク分散が進んでいます。

左の穴も交差点を外すことで、一度にたくさんのエイリアンが来てパニックになる可能性を抑えています。

しかし、これにも欠点があります。

基本ルール2に書いたように、エイリアンが2匹まとまって左右のどちらかからやってくると、せっかく掘った穴が無効になり、反対側には穴があって逃げられないため、やはり瞬時に詰んでしまいます。

つまりまだリスク分散が足りないのです。

さらにこの欠点を補うのが以下の「アキバ掘り」です。

秋葉掘り

ここまで来ると、上下左右どこからエイリアンが来ても対応することができます。

投資で言えば、国内株式でも先進国・新興国株式でも債券でもどんと来いという感じでしょうか(笑)。

このゲームではこの4方向以外から相手が来ることはありませんので、これで最大限分散が効いていることになります。

さらに、エイリアンが2匹つながって来た場合もある程度逃げ道が確保されているため、隠居掘りよりはリスクは少ないですし、それぞれの穴は交差点に掘っているため、隠居掘りよりエイリアンを穴に落としやすく、せっかくのチャンスも逃しにくくなっています。

「アキバ掘り」というのは、4方向に穴を掘るのが秋葉原駅の形に似ているため(秋葉原駅前の交差点に似ているという説も聞いたことがあります)名づけられたようですが、私にとって、これがまさにインデックス投資のイメージでした。

4.「アキバ掘り」のどこがインデックス投資に似ているか



つまり、「アキバ掘り」は、

・シンプルで実行しやすく
・考えられうる全ての投資機会(さまざまな方向から来るエイリアンの捕獲の機会)を逃さず
・いざというときのリスク分散もしやすい

ことが特徴であり、これはインデックス投資と共通しているように感じます。

一方、この戦法には、

・エイリアンが来るのをずっと待っていなければいけないので、飽きる可能性がある
・エイリアンを倒す(高得点を得る)のに時間がかかる

というデメリットもあります。

これもインデックス投資に似ているような気がします。

特に、一度アキバ掘りをしていたのに、なかなかエイリアンが来ないのにしびれを切らし、せっかく掘った穴を埋めて自分から打って出たらエイリアンに取り囲まれ瞬殺されてしまうことがありますが、これは、パフォーマンスが上がらないと投資スタイルをコロコロ変えてかえって失敗してしまうのに似ているかもしれません。

5.おわりに



『ゲームセンターあらし』ではこのゲームは「東大生が作ったゲーム」として何度も取り上げられたため、当時の私には憧れのゲームでした。

さすがにこのゲームが流行ったときにはまだ幼かったため、私はリアルタイムではプレーしたことはありませんが、その後PCやゲームボーイに移植されたときは喜び勇んでプレーし、アキバ掘りの優秀さを実感しました。

そんな私の性格にはインデックス投資は合っているように思います。

時間が多少かかっても、これからも国際分散投資を行いながら、棚からぼたもち…じゃなかった、世界中の経済活動の成果をじわじわと得ていきたいと思います。

あまりにもネタが古すぎて、分かっていただける方が極端に少ないんじゃないかという不安はかなりありますが(途中で、なんで俺こんな記事を熱心に書いているのだろうと我に返ってしまいました(笑))、とりあえず今日はこんなところで。

MSCIコクサイはすっごく分散された「ビッグ5」

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ここに来て、世界の時価総額上位5位(アップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック)が強い、という話題を良く目にします(以下は参考記事)。

強すぎる米IT「ビッグ5」(日本経済新聞)

ちょっと前に書いたように、私は、これらの株の値動きにはとてもついて行ける気がせず(マイクロソフトはここまで株価が上がる前に検討したことがありますが)、個別株での投資は見送るつもりですが、魅力的な企業群であることは間違いないと思います。

ただ指をくわえているだけでは悔しいので(笑)、そう言えば積立していたMSCIコクサイインデックスファンドにもこれらは組み入れられていたはずだと思って確認したところ、以下のような結果になりました(2017年¥
5月31日現在のMSCI kokusaiの概要説明に基づいています)。

銘柄名業種組入比率
1アップル情報技術2.43%
2マイクロソフト情報技術1.54%
3アマゾン消費者サービス1.20%
4Facebook A情報技術1.06%
5ジョンソン&ジョンソンヘルスケア1.04%
6エクソンモービルエネルギー1.00%
7アルファベット C情報技術0.89%
8JPモルガンチェイス金融0.88%
9アルファベット A情報技術0.87%
10ネスレ一般消費財0.79%

見て分かるように、ジョンソン&ジョンソン、エクソンモービル、JPモルガンチェイス、ネスレなどの手堅い企業を除けば、すがすがしいくらいFAAMGです。

正直言って、度肝を抜かれました。

以前MSCIコクサイの組入銘柄を見たときは、確かにアップル、マイクロソフトが入っていたものの、上位に入っていない銘柄も多く、「FANG(Facebook、Apple (Amazon)、Netflix、Google)って言っても時価総額ではたいしたことないじゃん」と思った記憶がありますが、2017年5月末の段階ではものの見事にFAAMG一色となっています。

これらが占める組入比率の合計は実に7.99%、つまり1割近くに上ります。

世界分散のインデックス投資を行う前提として、よく「世界経済の発展を信じられるかどうか」が挙げられますが、この数字だけ見ると、極論すれば「世界経済が完全に横ばいでも、FAAMGだけが成長していれば資産が増える」とすら言いたくなってきます。

そういう意味では、現在のMSCIコクサイは、私にとっては「すっごく分散されたビッグ5(FAAMG)」です。

FAAMGを個別株で買うほど肝が据わっていない私のような投資家にとって、リスクを抑えつつ投資でき、また、仮にこれらの企業以上に規模が拡大するセクターや企業が現れれば自然に投資額が振り向けられる時価総額比例のインデックスはやはり魅力的です。

サテライトの個別株投資はしばらく続けるつもりですが、最近は、頭をひねって考えれば考えるほどインデックス投資が良さが分かるという面白い結果になっています。

今後もまだまだ新しい発見があると思いますが、ひとまず今のスタイルを続けながらコツコツ学んでいきたいものです。

eMAXISシリーズにJPX日経中小型株指数連動型インデックスファンドが追加!のニュース

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優秀なEDINETウォッチャーのアウターガイさんがブログでeMAXISシリーズのJPX日経中小型株指数連動型インデックスファンド追加の速報をしてくださっています。

三菱UFJ国際投信がeMAXISシリーズにJPX日経中小型株指数連動型インデックスファンドを追加(バリュートラスト)

信託報酬はなんと驚きの0.40%(税抜)です!

競合商品などについては上記リンクを見ていただくとして、既に発表されている2本のETFが税抜0.50%なので、それよりも安い(ETFのうち1本はMAXISシリーズなので、なんと自社ETFよりインデックスファンドの方が信託報酬率が低い!)という状況になっています。

JPX日経中小型株指数は、既にある程度成長し、財務や収益性が良い企業だけを対象としているため、JPX400などで指摘されている「成長余地の小ささ」が問題になる可能性もあります。

つまり、財務が脆弱なときから成長可能性をしっかり調査しているアクティブファンドと比較すると、JPX日経中小型株指数の方には「これから成長する企業」より「既に成長した企業」の方が多く含まれていて、パフォーマンスが低下する可能性も否定はできません。

一方で、中小型株は大型株と比較すれば成長余地は大きいでしょうし、財務や収益性で組入を制限することで倒産・業績不振リスクを抑制することもできるでしょうから、低コスト性と合わせるとインデックスファンドにもかなりメリットがあるように感じます。

さらに、先日発表された日興AMの投資信託はエース証券のみの取り扱いとなっていましたが、EDINETの書類によると、こちらは販売会社としてSBI証券、楽天証券、マネックス証券の名前が挙がっているようですので、利便性に関してもかなり期待できそうです。

取り扱いが始まったら早速積立を行うかもしれません。

個人的には、このような各社の競争を見て、かなり興奮しています。

eMAXIS slimシリーズの発表のときに感じたわだかまりは忘れて(笑)、いいぞもっとやれ!と言いたくなります。

TOPIXやMSCIコクサイなどのメジャーなインデックスに関しては低コスト競争が一息ついた感がありますが、JPX日経中小型株指数などのマイナーあるいは新しいインデックスに関してはまだまだ商品開発の余地がありそうです。

先日は楽天とSBIで投資信託が100円から買えるというサービス競争のニュースが飛び込んできましたが、個人的にはこういう競争をさらに推し進めていってほしいと思います(関係者の皆様は大変だと思われますので、どうぞご健康にはご留意されますよう)。

なお、これはとても嬉しいニュースですが、問題は既に取引されているETFがどうなるか、ということです。

以前、以下の記事に述べたように、もともとこの指数に連動するETFの流動性にはかなり疑問がありましたが、さらに低コストな投資信託の登場でとどめを刺されかねないように思います。

JPX日経中小型株ETF(と日経平均高配当株50ETF)の出来高がイマイチ…(サボテンのように資産を育てるブログ)

この指数に連動するファンドのパイオニアとして、ETFについても適宜ウォッチを続けていくつもりです。

「動」の中に「静」を見て、「静」の中に「動」を見る

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1.はじめに

いやー、水曜の晩から木曜日にかけてはびっくりしました。

アメリカの「ロシアゲート」事件のことは知っていましたが、それが一気に政治不安につながり、株安・1日に1円以上の円高の展開になるとは思いませんでした。

でも、こんなときこそインデックス投資の特徴が出るんじゃないか…

と考えていたら、ふと「『動』の中に『静』を見て、『静』の中に『動』を見る」という言葉が浮かんできました。

2.「動」の中に「静」を見る

インデックスは市場全体に分散されているため、個別銘柄ほどは値動きが激しくなりません。

特に、調整局面では、個別銘柄が-10%というときに、インデックスは-2%程度ということも珍しくありません。

ロシアゲートが緊迫した木曜日はすいさくファンド(仮)で組入比率最大の第一生命HDは-5%近くの下落を記録しましたが、日経平均は-1.3%でした。

たとえ嵐を迎えても、揺れを最小限に抑えられる、巨大客船のような安定感があるのがインデックス投資と言えるかもしれません。

これが「動」の中に「静」を見るイメージです。

(リーマンショック級の大嵐であればさしもの巨大客船も心元ないですが、そのときは積立を継続しながらじっと嵐が通り過ぎるのをじっと待つほかないのでしょう。)

3.「静」の中に「動」を見る

最近、逆のことも感じるようになりました。

つまり、あまり動かないように見えるインデックスの中にも、個別銘柄のダイナミックな動きが感じられるような気がしてきたのです。

日経平均と言えば、ファーストリテイリングやソフトバンクの寄与度が大きいことが知られていますが、やはりこれらの銘柄の値動きが大きいと日経平均も大きく動きます。

すいさくファンド(仮)に組み入れられている第一生命HDの寄与率はそこまでではないものの、βは正(1.7くらいのようです)なので、第一生命の値動きが大きいときは日経平均もそれなりに動きます。

このような経験を繰り返すうちに、これまでは単なる数字としての感覚しか持てなかったインデックスが徐々に血が通った企業の集合体のように見えてきたのです。

これが私の「静」の中に「動」を見るというイメージです。

4.最後に

よく、いろいろな投資法を試した後で、最終的にインデックス投資を選ばれたという方の話を耳にします。

インデックス投資を続けるのがしんどくなったときに、組入上位の超優良企業の名前を見て自分を奮い立たせるというアドバイスも良く聞きます。

これらの話は、私は頭では理解しながら、しっくりこないものも感じていました。

しかし、今回、おぼろげながらその感覚がわかってきたような気がします。

私の場合は、個別株投資とインデックス投資を併用していてこのようなことに気づいたわけですが、今の投資スタイルを続けることによって、逆にもっとインデックス投資の良さが見えてくるかもしれません。

私はまだ煩悩が多く、そこまでの段階には至っていませんが、いつかそういう心境になる日を楽しみにしたいと思います。

自分がeMAXIS Slim 8資産バランスファンドを使うなら

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1.はじめに

先日、eMAXIS slimの8資産バランスファンドの新規設定が発表されました。

詳しい内容については、公式プレスリリースやブロガーの皆さんの解説記事を見ていただきたいと思います(記事もたくさんあり悩ましいのですが、詳しい情報がコンパクトにまとまっている以下の記事へのリンクを貼っておきます)が、完全に出遅れてしまったこともあり、今回はなるべく自分なりの視点で書いてみます。

『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』募集・設定について(三菱UFJ国際投信ウェブサイト)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が信託報酬0.22%で新登場(インデックス投資日記@川崎)

2.このファンドはどんなもの?

「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、eMAXISシリーズの低価格バランスファンドとして、日本、先進国、新興国株式・債券と、日本、先進国のリートの計8資産に均等配分するインデックスファンドです。

このファンドの最大の売りは、やはり低信託報酬率(年率税抜0.22%)です。

正直言って、これには驚きました。

ニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬率が税抜0.2%ですから、それとほぼ変わらない水準で新興国株式・債券、国内外のリートまで入っているというのは、にわかには信じがたいレベルです。

eMAXIS Slimシリーズが最初に発表されたときには「ライバルファンドと0.01ポイントまできっちり揃えてきやがって」「これで低価格競争に終止符を打つつもりか、汚いやつめ」とつい心の中で思ってしまった(申し訳ありません)私ですが、今回は、それまで最低だったiFree 8資産バランスの0.23%を0.01ポイント上回ってきたため、ぐうの音も出ません。

実際は、積立NISAの導入でバランスファンドにはそれなりの需要が見込めそうだ、など、それなりの計算があるのでしょうが、他社を下回る信託報酬率の設定をしてきたことには素直に敬意を表したいと思います。

ちなみに、eMAXIS Slimシリーズの発表時には従来のeMAXISのファンドと同内容なのに信託報酬率が違う「一物二価」じゃないか、というような批判もありましたが、私は「ライバルに信託報酬の水準を合わせ、最低信託報酬率保証をしてきた=実質的にこれ以上引き下げをする気はない(ように見える)」ことの方が気になっていました。

今回、eMAXIS 8資産バランスファンドで最低信託報酬率を更新してきた理由の一つには、このような反応が三菱UFJ国際投信にも伝わったこともあるのではないか、と思っている(半分願望)のですが、個人的にはポジティブなニュースとして受け取っています(笑)。

3.どんな人に合っているのか

このファンドが合っているのは、やはり、できるだけ手間(考える手間も含む)を省き、NISAやiDeCoなどの非課税口座を中心に保有して文字通りほったらかしにしたいという人ではないでしょうか。

逆に、アセットアロケーションを自分で決めたい、リバランスを厭わない、という方には、あらかじめアセットアロケーションが決められ、必ずしも自分が希望しない資産クラスも含まれているこのファンドは合わないかもしれません。

一方、自分の家族に薦められるかどうか、という基準を考えると、私はこの基準はクリアーしているように感じます。

自分の家族を思い浮かべると、投資とは何か、という基本的なことから話を始める必要があり、複利や標準偏差などを含めたファイナンスの基礎を全て理解させなければいけないのなら永遠に投資まで辿りつかないような気がします。

そういう人にとっては、このバランスファンドは非常に魅力的なものだと思います。

もちろん、投資は自己責任であること、元本割れの可能性があること、リスク許容度の考え方や暴落の危険性は0ではないが分散投資はされていること、最初は少額から始めた方が良いことなどはきちんと理解する必要があると思いますが、いわゆる初心者にそれ以上を要求するのはかなりハードルが高いように思います(もちろんインデックスファンドであっても後者をクリアーしなければ投資すべきではないという意見もあるでしょうが、個人的にはそれはかなり厳しい条件のように感じます)。

また、バリュートラストさんのポートフォリオ・アナライザーなどでシミュレーションをしてみると、8資産均等配分を明確にアウトパフォームすることはそれほど簡単ではなく、少なくとも私は、よほどアセットアロケーションを最適化しない限りはバランスファンドで十分なのではないかと感じました。

4.自分が使うとしたら

それでは、もし私がeMAXIS Slim 8資産バランスファンドを保有するとしたら、どうするか考えてみます。

自分の場合、おそらく次のどちらかになるような気がします。

1.現行NISAを使う場合:iDeCoでeMAXIS Slim 8資産を積み立て、現行NISAで個別ファンド、株式を運用する
2.積立NISAを使う場合:iDeCoと積立NISAでeMAXIS Slim 8資産を積み立て、特定口座で個別ファンド、株式を運用する

どちらの場合も、リターンの意味では最適化されていないことを承知しながら、リバランスがしにくいiDeCoでバランスファンドを積み立て、基本的にはほとんどいじらないことを想定しています。いじりたくなったら、他の口座で少額だけやる、という方針です。

私自身は、個別株やアクティブファンドの運用の可能性が捨てきれず現行NISAの方が使いやすいように感じますので、eMAXIS Slim 8資産を保有するという前提なら、上記の1を選ぶ可能性がかなり高いと思います。

もう一歩踏み込むなら、2の積立NISAも含めて全部バランスファンドにして、特定口座で個別株式を少額運用するというやり方も考えられますが、自分の場合はそこまで割り切ることはなさそうです。

いずれの場合も、新たにeMAXIS Slimバランスファンドを積み立てることになりますので、既に保有している重複するファンドの整理も考えなければいけません。

一方、バランスファンドを中心に保有すると、将来取り崩すときに管理がしやすいというメリットもありますので、その点も含めて検討を行う必要がありそうです。

5.おわりに

というわけで、話題のeMAXIS Slim 8資産バランスファンドについて、自分の場合を考えてみました。

正直言って、最初のeMAXIS Slimの発表時に感じた「低価格競争を打ち止めにさせたいのではないか」という違和感はまだ私の中では払拭されていません。

しかし、今回の低コストのバランスファンド新規設定のニュースは、その違和感を打ち消しかねないほどのインパクトがあったように思います。

正直言って、心の中では、eMAXISに対する複雑な思いを抱えています。eMAXISのTOPIX ETFも保有しているので、eMAXIS自体が嫌いなわけではないし、純資産額や過去の運用実績も十分だし…。

また、受益者にとって最も利益になるファンドを購入すればいいだけで、特定のファンドや運用会社に「操を立てる」必要はない、という意見も良く分かります。

でも、まだ何か踏み切れないものがあるのです。

したがって、もうしばらく悩みながら考えてみることにします。

ある日、これだ、といきなり思い立ち、私もバランスファンド中心で行くことを決める日が、もしかしたら来るかもしれません。