すいさくファンド(仮)をしばらく運用してみて

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1.はじめに

主に日本個別株式を組み入れている私のポートフォリオ、愛称すいさくファンド(仮)を運用して半年が過ぎ、いろいろ感じることがありました。

今回はこれについて書いてみます。

2.長期に渡ってベンチマークを上回ることは「絶対に不可能」とまでは言えないような気がする

すいさくファンド(仮)の運用を始めたきっかけは、以前舞い込んできた第一生命HD株のボラティリティがあまりに高いので、他の個別株式と組み合わせてそれを少し和らげようとしたことでした。

運用を始めた2016年8月ごろは、輸出関連銘柄の株価が最悪の時期で、いくらなんでも長期的にこの株価を下回ることはあまりないだろうと考えたこと、配当利回りがそこそこ高かった(おおよそ3%超)こと、投資対象の企業の事業戦略が比較的自分が理解しやすかったことなどを考慮して、最悪の場合、含み損が出ても配当と相殺してプラスになればいい、というつもりでいくつかの銘柄を買い付けました。

その後、様子を見ながら出遅れていた内需関連株などを買い付け、今に至ります。

まだ初めて間もないですし、運もありましたが、運用を始めた2016年9月末から2017年6月下旬までの累積リターンに関しては、ベンチマークであるTOPIXや日経平均が約21~22パーセントのところ、すいさくファンド(仮)は約27パーセントと約4パーセントほど上回ったようです。

もっとボロボロになると思っていたので、個人的にはここまでは期待以上のパフォーマンスです。

もちろん、今後大きなしっぺ返しがあることも十分に予想していますし、長期に渡ってこのようなパフォーマンスを続けることは難しいと思いますが、自分より経験も判断力も優れた人なら「ベンチマークをアウトパフォームするのは絶対に不可能」とまでは言えないような印象を受けました。

3.努力に見合うかどうかは人によりそう

私はそれほど個別銘柄の研究に時間を割けませんが、さすがに買い付けを行う前にはPERやPBR、ROE、ROA、自己資本比率、流動比率など基本的な財務指標や数年間の利益など簡単な財務指標には目を通しています。

また、素人なりに事業の将来性は良く考えているつもりです。

たとえば、コシダカHDは、カラオケ事業の出店数の伸びが鈍化したこととそれによる決算の悪化で株価がかなり下がっていましたが、カーブスに通う家族の情報を元に、カーブス事業にはまだまだ出店余地があり、今後医療費を下げたい国や自治体などと組んで行う健康増進事業が発展する可能性もあると考え、東証一部昇格前に1657円(6月下旬現在の株価は2800円前後)で買付を行いました。

このような分析をもっと時間をかけて行い、適度に分散をしながら将来性が期待できる銘柄に一定程度の資金を投じれば、努力以上の見返りがあるかもしれません。

しかし、あくまでも少額に留めていることもあり、自分の場合は、このような労力に対して利益が見合っているかというとかなり微妙です(かなり趣味の領域です)。

また、全ての投資先に対してこのような調査をするのは大変ですし、リスクもそれなりにあるため、少なくとも私は他人に自分と同じことをすることは薦められません。

4.パフォーマンス/努力比率を考えるとインデックス投資は魅力的

以下のグラフは、以前も掲載した、すいさくファンド(仮)とTOPIX、日経平均の2016年9月末~2017年5月末の各月末の累積リターンを比較したものですが、組入比率が大きい第一生命HDや日産自動車のパフォーマンスが良かった2017年2月ごろはともかく、それ以外の期間ではそれほど大差はありません。

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以下は、4月末から6月頭までの同じく累積リターンの日次データですが、これを見てもすいさくファンド(仮)とベンチマークはほぼ同じ動きをしていることがわかります。

すいさく日次グラフ

つまり、今のところはそれなりとは言っても、すいさくファンド(仮)の好パフォーマンスが今後も続くとは限りませんし、そのリスクを取ることで得られる累積リターンの差がせいぜい数パーセントなら素直にインデックスに投資した方がいいような気もします。

特に、積立設定さえすれば普段は全く投資のことを考えずに済むインデックス投資は「パフォーマンス/努力比率」が非常に大きく(買い付けのタイミングや銘柄を選ぶのに費やす時間は0に近いため)、私のような勤め人にとってはかなり魅力的な投資方法だと感じました。

5.一番大切なのは「市場に残り続けること」では

個別株投資をすることでさまざまな市場の側面を学べるため、私はしばらくは個別株投資を続けると思います。

一方で、これまでも何度か書いてきたように、個別株投資を続けるうちにインデックス投資の強みを改めて感じることが増えました。

したがって、今の自分はどっちがいいとか自分に合っているかということは決められません。

また、すいさくファンド(仮)の好調ぶりはここしばらくの相場の好調によって支えられている可能性もあり、分散効果も考えているとは言え、調整局面になったときも十分なパフォーマンスが得られるかどうかも不安です。

そもそも、どういう投資手法を選んでも暴落が来たらほとんどの人は市場から去ってしまうという話も良く聞かれます。

そういう意味では、細かい違いはさておき、とにかく「市場に残る」こと、また、市場に残れる可能性が高い投資手法を選ぶことが自分にとっては大切ではないかと最近は感じるようになりました。

投資を始めてから少しずつ自分の考え方も変化してきていますが、来年はまた言っていることが少し変わっているかもしれません(笑)。

大筋だけは変えないようにするつもりですが、将来の自分がどんな風に考えているか楽しみにしながらそのときを迎えたいものです。

SMT米国株配当貴族インデックスオープンの運用報告書を読んでみる

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先日も書いたように、5月10日にSMT米国株配当貴族インデックスオープンの決算日を迎えたことにより、運用報告書(全体版)が公開されています。

月次レポートの内容とも大分かぶっていますが、新しい情報もいくつかあるようです。

実質コスト

まず、8ページによると半年(2016年11月11日~2017年5月10日)間の実質的なコストは0.708%ということで、前回(昨年8月30日~11月10日)の0.194%と比較するとかなり高い印象です。

今回は「その他」の保管費用だけで0.307%となっていますが、これが文字通り「海外における保管銀行等に支払う有価証券等の保管及び資金の送金・資産の移転等に要する費用」を意味するとすると、これ以上引き下げることは難しいのかもしれません。

マザーファンドの運用報告書

さらに、今回の見どころは12ページから始まるマザーファンドの運用報告書ですね。

前半のインデックスオープンの運用報告書と比較するといろいろなことがわかります。

まず、3ページの「インデックスオープン」では、期中(2016年11月11日~2017年5月10日)のベンチマークとの乖離が約0.7%となっていますが、13ページの「マザーファンド」ではベンチマークとの乖離は約0.3%となっているようです。

マザーファンドの運用報告書には費用明細がないのではっきりとはわかりませんが、これは信託報酬率の違いが反映されたものなのかもしれません。

また、インデックスオープンに関しては、月次レポートを見る限り11月末に大きく乖離をしたように感じていましたが、実際は、特定の月に大きく乖離したというより、毎月少しずつ乖離が大きくなっていたようです。

組入銘柄

S&Pの米国株配当貴族インデックスの公式サイトでは全ての組入銘柄が記載されていなかったようなので、マザーファンドの
組入銘柄は(個別株式への投資欲を抑える意味でも)参考になりそうです。

ざっと見た感じ、コカコーラ、コルゲート・パーモリーブ、コンソリデーティッド・エジソン、ターゲット、エクソン・モービル、ジョンソン&ジョンソン、マコーミック、マクドナルド、S&Pグローバル、3M、ペプシコ、P&G、AT&T、シェブロン、VFコープ、ウォルマート、アッビー、ウォルグリーンなど、一度は購入を考えた、あるいは既に保有している銘柄が次から次へと挙げられています。

私は、手持ちの資金があまり多くないこともあり、米国個別株式への投資は控えめにするつもりでしたが、これだけいろいろな銘柄が組み入れられているなら、よほどの理由がない限りあえて個別株式に手を出さなくてもいいかなという印象を持ちました。

ベンチマークの組入比率が均等になっており、売買コストが大きいせいか実質コストの高さが気になりますが、これが設定間もない(あるいは純資産額が小さい)ことによる一時的なものなのであれば、個人的には、このファンドを保有する理由はそれなりにあるように感じます。

「スマホ首」に効くストレッチ

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PCやスマートフォンでブログを更新したり、twitterをやっていたりすると、首がガチガチに苦しくなりますよね。

私も例に漏れずずっとこの「スマホ首」に苦しめられていて、ストレッチもいくつか試したのですが、手軽かつ効果的な方法が見つからなくて悩んでいました。

そこである日出会ったのが、以下のストレッチ方法です。

現代病「スマホ首」を予防する簡単ストレッチ(ダイヤモンドオンライン)

詳しくは記事を見ていただければよいと思いますが、私がなるほど、と思ったのは「(2)首の後屈」です。

 両手を組み、あごの下につけます。そのまま手であごを押しながら、首を後ろに倒しましょう。このとき、首がつまって苦しくなったり、しびれを感じた場合はストップです。首を後ろに倒したときに、腰が反りすぎないよう、体幹を意識してください。同じく5秒静止して、3回行います。(前掲記事)

この「両手を組み、あごの下につけたまま手であごを押しながら、首を後ろに倒す」というところが目から鱗でした。

前に自己流でストレッチをやっていたときも首は後ろに反らしていましたが、実際にやってみると、ただ単に首を動かすだけではなく、あごの位置も大切だということが実感できます。

首はデリケートな部位なので、無理に力を入れると痛める可能性があります。

したがって、最初は慎重に、あくまでも無理なく、気持ちよく感じる範囲で試した方がいいと思いますが、同じ悩みを持っていらっしゃる方は試してみてはいかがでしょうか?

SMT米国株配当貴族インデックスオープンウォッチ2017年5月分

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恒例のSMT米国配当貴族インデックス・オープンウォッチ2017年5月分です。

まず、基準価額は前月比-38円の11,171円、純資産総額は+0.28億円の7.70億円…と思ったら、三井住友AMのページを見ると、2017年6月13日から14日にかけて、なんと2億円以上も減って16日現在で5.47億円となっています。

もしかしたら、設定当時に入っていたはずの2億円を何らかの理由で引き上げたということなのかもしれませんが、これだけ大きい変化があったことには驚きます。理由については後で運用会社に問い合わせてみるつもりです。

ベンチマークとの乖離は、1ヵ月で-0.05%、3ヵ月で-0.16%、6か月で-0.48%、設定来で-0.76%となっています。

6か月と設定来で乖離が大きく変化しているため、やはりその間に何かあったのでしょう(トランプラリー?)。

次に、組入上位銘柄は、

銘柄名業種組入比率
1BARD C R INCヘルスケア機器・サービス2.34%
2MCDONALD'S CORP消費者サービス2.15%
3BROWN-FORMAN CORP-CLASS B食品・飲料・タバコ2.13%
4S&P GLOBAL INC各種金融2.04%
5GENERAL DYNAMICS CORP資本財2.04%
6PENTAIR PLC資本財2.04%
73 M COMPANY資本財2.02%
8COCA-COLA CO食品・飲料・タバコ2.02%
9MEDTRONIC PLCヘルスケア機器・サービス2.01%
10DOVER CORP資本財2.01%

となっています。

今月はついにコカコーラがランクインしました。

2位のマクドナルドと合わせるといかにもアメリカ企業という雰囲気です。

1位のC.R.BARDを除けば、比較的組入比率のばらつきも少ないですね。

1月に設定された野村のFunds-iフォーカス米国株式配当貴族は信託報酬率がSTMより若干低いのですが、こちらの純資産総額は2.5億円です。

SMTも野村もまだ設定されてから1年を経過していないので、両方の運用成績が出そろってからでも乗り換えを検討するのは遅くなさそうです。

SMT米国株配当貴族インデックスオープンに関しては先日運用報告書も掲載されていますが、それは後でゆっくり見ることにします。

私が米国集中投資を行わない理由

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はじめに

海外ETFを中心に投資されているフクリさんのブログで、以下のような問題提起がありました。

(インデックス投資の疑問) 株式はアメリカのみに投資をすればいいと思いますか? (フクリの海外ETF長期投資)

これは、もともと、バンガード社創業者のボーグル氏が以下のようなインタビューで答えた内容に対する問いのようです。

「群衆は常に間違い」-バンガード創業の88歳投資家、米証券に固執(ブルームバーグ)

ボーグル氏は「米国が最良の投資先だと考えている。恐らく世界で最も技術志向の国だ。私は米国が世界のどの国や地域よりも良好なパフォーマンスを生むことに賭ける。経済が長期的に最強になる国に投資するというシンプルな賭けだ」と述べた。

私もETFを保有してお世話になっているボーグル氏がそう言うなら無視できないと思いつつ、結論から言うと、私は米国集中投資をすることはないと思います

以下、理由を書いていきます。

米国投資のメリット

フクリさんの記事に対して、のぶさんは以下の記事で次のようなポイントを挙げて、米国投資のメリットを挙げています。

(インデックス投資の疑問)株式はアメリカのみに投資をすればいいと思いますか? (素人投資家でもETFで資産形成!)

・米国は株主の地位が確立された社会であること。
・米国は自由競争が活発で今後も技術革新の中心であること。
・米国は最強の軍事国家であること。
・米ドルは投資に向いた通貨であること。

どれもその通りだろうと思います。

ほかにも、米国は人口(労働人口)増加が続くため、そもそも消費力が大きい、などを挙げる場合もあるでしょう。

これらは、米国株の評価に織り込まれているとは言われるものの、スマートフォンを生み出したアップル、グーグル、アマゾンやユーバーなど、10年前にはほとんど想像だにしなかった製品・サービスを次々に生み出すのを目の当たりにすると、今後も予想以上の成功を収める可能性は否定できないように思います。

米国投資のデメリット

それでは次にデメリットを書いてみます。

菟道りんたろう さんが以下の記事で指摘しているように、真っ先に思いつくのは為替リスクです。

日本人と米国人では米国集中投資の意味がまったく異なる(The Arts and Investment Studies)

米国人がドル建て資産に集中投資をしても為替リスクはありませんが、日本人がドル建てで投資する場合は為替リスクは絶対に避けられません。

菟道さんは、主にこれを論拠として国際分散投資を行うメリットを説いています。

私が円建て投資額を0にしない最大の理由がこの為替リスクなので、なるほど、と思ったのですが、私が米国集中投資を行わないだろうと思う理由はほかにもあります。

それは、言うなれば「気分」の問題です。

国際分散投資は心理的メリットもある

私はMSCIコクサイに飽き足らず、個別株式を含めて米国株式に投資していますが、今のところは米国集中投資はする気になれず、ほかの先進国や日本株式クラス、新興国にも投資を続けるつもりです。

その一番大きい理由は「(私の場合は)その方が気分的に楽だから」です。

米国市場が魅力的であることは間違いありませんし、米国市場が「終わる」ときは世界の市場が「終わる」ときだと思います。

また、リーマンショックや世界恐慌のような状況では、結局どこに投資をしていても被害を受けることには変わりなく、分散投資の効果も薄れてしまうかもしれません。

それでも、「集中」はせず、投資する地域を多少分散していた方がリスクを下げられるのではないか、と私は感じざるを得ませんし、その安心感に対して支払う「コスト」だと考えれば多少リターンが低くなったとしても許容できます。

また、広く分散投資をすることにより、特定の地域のリターンが高くなったときに、そこに投資せずに後悔することも避けられるでしょう。

「気休め」と言えばそうですが、この気休めがあることにより積立投資をスムーズに行えるのであれば、自分にとっては十分にメリットがあると感じます。

おわりに

というわけで、これからも米国個別株式やVTIなどを使って米国への投資は続けていくつもりですし、その割合が増加する可能性もありますが、100%米国だけに投資することは私の場合はないと思います。

そういう意味では恐れ多くもボーグル氏の主張からは外れてしまうわけですが、氏のインタビューの「群衆は常に間違い」という主張はとても興味深く感じます。

上掲記事では、最近のヨーロッパ株式をオーバーウエートするというアドバイスがボーグル氏の主張と相容れないことを指摘していますが、見通しが明るくなったところで慌てて投資するのは得策ではないはずですし、氏が言わんとしていることは、むしろ周りの意見に影響されて投資方針をコロコロ変えたりしないことの大切さであるように思いました。